アセクシャルの気ままな感想日記

アセクシャルのための情報、アニメや映画の感想日記

アセクシャルを自認するまでに

筆者がアセクシャルだと気づいたのは、約一年前の事です。


誰かが読んでくれるかどうかわかりませんが、ただ、自分の性的指向に気付くまでの経緯を記録に残したかったです。

 

香港での子供時代や中高生時代:おかしな性教育

子供の頃は「アセクシャル」という言葉も、LGBTについて何も知りませんでした。


大きくなると男の子と恋に落ちて、付き合って、性行為をして結婚することがごく普通なことで、自然だと思っていました。香港もかなり保守的なので、LGBTの話題や下ネタ以外に性的な話しはしません。

 

小6の時、学校から「性教育」を受けましたが、言うまでもなく男女関係しか教えず、セクシャルマイノリティについてなにもありませんでした。

「卵」+「泳いでるもの」=赤ちゃん としかわかりませんでした(笑)

 

擬人化された猫のキャラクターで親戚関係でも、痴漢行為されることはあるアニメがあったことは覚えています。しかし、当時はそれが「痴漢行為」というものだったのか全く分かりませんでした。「なんか、見てていやな感じがする...」としか思いませんでいした。

https://3.bp.blogspot.com/-vU1d7-_uY0c/Uvy5wLzCe7I/AAAAAAAAdpA/HM_ScjfOX40/s800/cat_munchkin.pngなぜ猫だったのか....人体に猫の顔で性教育って...なぜ...

 

色んな意味で不十分すぎる性教育でした。

セクシャルマイノリティを知る中高生時代

中学生の頃は、ネットでユーチューブ見たり、アニメや映画を見たりすることで、同性愛者がいることを知るようになりましたが、それ以外のセクシャルマイノリティがあることは知りませんでした。

 

それ以外に、中学二年生の頃に姉にBL漫画を勧められ、それ以降は人生が変わったのであったが、それは別の話です。

 

中高生だった時は三回、異性と付き合ったんですが、長続きしませんでした。悪い人ではなかったんですが、漫画やテレビで見た「楽しく、ふわふわでドキドキ」な感じが全然ありませんでした。「付き合え前と付き合い始めた後って違うものだな」という結論に至りました。それに、勉強に集中したかったんです(勉強、好きです)。

 

ちょうど高校生の頃、ゴシック文化にハマっていて、フォローした画家がアセクシャル自認の方でした。毎日ファンタジー映画のキャラクターのように着飾るので、いまだにフォローしています。

 

そこではじめて「アセクシャル」というセクシャルマイノリティがあることを知りましたが、自分はきっとアセクシャルじゃないと思い、それが何なのかは追及しませんでした。正直、大学院生までは「アセクシャル」という概念があることを忘れていました。


そして、自分はただ付き合うことに向いていないと思ったまま、大学生になりました。

 

イギリスの大学生時代:「恋愛」と「性行為」ってなぜ当たり前?

学部生として交際相手を探そうともしませんでした。個人的にセックスするなら付き合えるほど仲がいい相手がいいと思ったので、交際すらしていない自分はセックスについてあまり考えませんでした。

 

大学生の頃に、ふと考えてしまうことがありました。

「好きな相手、付き合っている人たちはセックスをする」とわかっていましたが、「恋愛感情ってどうやって、この人とセックスをしたい感情になるの?」と考えていました。

 

よくあることだとわかっていても、点と点が結びつかなかったんです。よく「好きな人に触りたいし、触れられたい」と聞きますが、いまいち理解できませんでした。

 

「性欲」と「性的魅力」など、様々概念やその違いすら知りませんでしたからね。今思えば、これがアセクシャルであるヒントだったかもしれません。

 

英語勉強しなおさなきゃ、と思った翻訳学科大学院生

そのまま学部生卒業して、コロナやメンタルがやられたので少し休んだあと、翻訳の大学院に行きました。

もうすぐ24歳になる自分は、「あれ?周りに交際していて、結婚しはじめてる人いるけど、これほど長く誰とも付き合ってないのって、少しやばいんじゃ?」と焦って、マッチングアプリを使うことになりました。

 

それでデートもして、スキンシップを持つようになることもあったのですが、以前の同じく、それほど興味がなく、疲れるものでした。幸い、トラウマや非常にいやな経験をすることはなかったんですが、触れられて少しだけいやだとは感じました。

 

そして、課題や論文で忙しいこともあって、マッチングアプリを削除しました。交際や性行為など、無理をしてもしなければならないものじゃないですからね。自分にとって、無理するほど気になるものでもありませんでした。しかし、なぜ、他人のように興味がなく、デートやスキンシップを楽しめない自分がおかしいとは思いました。

 

さらに悩み始めると、このころ周りに出てきたり、ネットで見かけたりした「アセクシャル」について色々調べました。

 

ちょうど大学院のハウスメイトが、トランス男性(FtM)でアロマンティック・アセクシャルな方だったので、少し相談に乗ってもらいました。

 

24歳でいきなり疑問しはじめたことに不安を感じた自分に、「実際大人になってからアセクシャルだと気づいた人が多いよ!!私みたいに運よく若いころに気付いた人は結構少ないよ!」と言われて、ほっとしました。

 

自分は性欲はある人なので、「本当にアセクシャルなの?」と疑っていました。ネット上の英語資料によると、アセクシャルの中でも、性行為したり、性欲あったり、恋愛感情なかったり、性行為に対して嫌悪感があったり、多様性があるコミュニティであることを知りました。しかし、自分は本当にアセクシャルなのかどうか、疑っていました。

 

「もし、自分が将来「性的魅力」を感じたなら、どうなるの?嘘をついてたことになる!」と悩んでいました。

 

さらに悩みに悩んだある日、フォローしているアセクシャルについての情報を広めるアカウントの投稿をみました。

 

www.instagram.com

「私は、アセクシャルなのでしょうか?」とタイトル通り、悩んでいたことが大きい文字で書かれていました。

 

「少しでも、アセクシャルのスペクトラムで自分が見えるなら、そうなんじゃないでしょうか。性的指向は自認するものなので、クエスチョニングしているのなら、アセクシャルである可能性が高いですよ。’’ACE"と証明できるものなんてありませんが、アセクシャルによく見られる特徴はいくつかあります。」

「例えば、性的な意味で誰かに興味を持ったことがないこと。誰かに惹かれたことがあっても、その人と性行為をしたいと思うことはなかった。’’性的魅力’’を感じたことがあるかどうかも分からない。’’性的魅力’’自体がどういうものか、どういう感情なのかも理解できない。」

挙げられた例で過去を振り返ったら、実際に誰かに性的魅力を感じたことなんてありませんでした。付き合う相手も、大好きなバンドメンバーも、かっこいいと思った役者なども。その「気持ち」もよくわかりませんでいた。ピンときませんでした。

https://3.bp.blogspot.com/-mq0hdaR-ZcY/XG4GXM_RphI/AAAAAAABRqw/8tlGYKiJOXQTZnkr1UWBoGmPtDIBivEzgCLcBGAs/s800/ahiruguchi_woman.png頭の中で「性的??惹かれる?????」ってなっていました。

SPYxFAMILYのアーニャのとぼけた顔を想像してみたら、そういう感じです。

 

性的魅力を感じたことがあるかを思い返す「え?????」という過程で、「うん!アセクシャルです!」と気づきました!

 

他の性的指向と比較すると、「アセクシャル」って自分が感じたことがないもので自認するものなのが面白いです。

 

少し余談ですが、英語圏ではよく”He/she/they are so HOT!!"と言われます。筆者は英文学や翻訳を勉強しておきながら、ずっとこれが「この人、すごくきれい・かっこいい!!」という意味だと思っていました。

 

実際、誰かを''HOT"と言うのは、見た目がきれい・かっこいい以上に「この人と性行為したい、この人に対して性的に惹かれている」という意味合いが含まれていることに、初めてわかりました(笑)。これは英語圏のアセクシャルあるあるです!自認するまでに知らなった人が多いです!

 

話に戻りますと、アセクシャルなのかどうかと悩む結果、「性的魅力」ってなんなのか全く理解できないことに気付き、アセクシャルだと気づいてようやくしっくりきました!

 

自分みたいに「性的魅力」という感情が謎だと感じる人が他にいっぱいいる、性的魅力を感じない自分はおかしくないとわかって、ようやく居場所を見つけたようでした。

 

カミングアウト

カミングアウトは、親友だけにしてあります。

 

セクシャルマイノリティへの理解がどんどん深まれていく時代ですが、いまだに偏見が多いことは承知しています。LGBTコミュニティ以内でも、「アセクシャル」はまだ理解が少ないアイデンティティです。

 

なので、カミングアウトは、親友だけにしています。

 

多様性を大切する価値観を共有している親友ばかりなので、「よかったね」、「教えてくれてありがとう」、「君は君のままでいい!」という優しい反応でした。

 

アセクシャル自認した後はもやもやが消えて、ホットした気分になりました。自分のような人たちがいることに、うれしく思います。

 

実際気づくまでに調べるのによく英語の資料を読んでいました。英語に比べて日本語の資料が少なく、以前書いた通り「アセクシャル」の定義自体も違ってたりするので、これからは役に立つ情報を翻訳してブログに乗せていくつもりです。